ヒント2 - 中古住宅購入時の注意点

中古の住宅を買う時は、どんなことに気をつけたらいいの?

中古の住宅を買う時は、どんなことに気をつけたらいいの?

立地条件のよい中古住宅を買って、リフォームして住もうと思っています。購入時にはどんなことに気をつけたらいいのか、法律面でのチェックポイントがあったら教えてください。

敷地と道路の関係や、都市計画による面積制限などを確認しておきましょう。
敷地と道路の関係や、都市計画による面積制限などを確認しておきましょう中古住宅購入の場合、マンションより戸建ての方が個人の方に関わる法律のチェックポイントが多いので、ここでは戸建住宅について取り上げます。法律面で最も注意することは、第一に、住宅の敷地が道路に接しているかどうか。そして、建て替え時に今と同じだけの面積の建物が建てられるかどうか、という点です。
建物を建築する敷地は、幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならないと建築基準法で定められています。この基準を満たさない敷地に建つ建物は、建て替えや増築などの確認申請の必要なリフォームができません。
また、敷地には都市計画や道路の条件によって建てられる建物の面積が制限されています。中古住宅を買ってリフォームをする場合、増築したいのであれば、それができるかどうかを現状の建物面積と照らし合わせて検討します。現状が建てられる面積の限度を超えている場合は、建て替えの時には現状より小さな建物しか建てられません。この面積制限は、都市計画の改正により建築後に変わることがあります。新築時に面積の基準に合っていても、現状は制限を超えているということもあるので、必ず確認をしましょう。
中古住宅購入では、法律上の問題だけでなく、建物の維持管理や老朽化の程度、または施工不良など、構造的なこともとても大事なポイントです。いざという時に安心できる耐震性能などもチェックしておきましょう(誰でもできるわが家の耐震診断)。できればリフォーム済みのものよりリフォーム前のほうがチェックしやすいといえます。
敷地面積

解説

解説

建築基準法で敷地に対して定められた幅員4m以上の道路に2m以上接するという接道条件は、万一のとき、救急車や消防車などの緊急車両が建物に近づくことができること、また、上下水道・ガスなどの整備に必要な幅です。
ただし、建築基準法が制定される以前から建物が並んでいる道路には、幅員が4mもないものもあります。このような道路でも、建て替え時や申請の必要なリフォームをする時に、道路幅員が4mになるように道路中心から2mの位置まで、敷地の道路境界線をセットバック(後退)して道路として認められるものは、建て替えは可能です。しかし、セットバックすることで敷地面積が狭くなり、建てられる建物面積も小さくなるので注意が必要です。
高さについても建築基準法で定められていますが、面積制限と同様に、法律の改正によって現状と同じ高さまで建てられない場合があります。反対に規制緩和によって現状よりも高く建てられる場合もありますので、現行法に照らした敷地や建物のチェックが必要になります。また、建築基準法で定められている用途地域や防火地域、壁面後退規制のチェックもしておきましょう。
中古住宅の基本的なデータは、建てる時に作成する建築確認申請書に記載されています。また、その建物が申請通りに建てられたかどうかは、検査済証で確かめられます。まずは、この2つの書類を確認してから購入の検討をはじめましょう。

制限の種類

中古物件購入の際の相談例

賃貸マンションに住んでいるAさん家族は、子どもの成長を考え、中古住宅を購入することにしました。不動産屋さんから、一戸建ての中古住宅としてはお買い得と思える物件を勧められたので、購入することに問題がないか、建築士に相談してみることにしました。
建築士が物件概要を見ると、建物の間取りや面積は内装を替えれば問題ありませんが、敷地が建築基準法の接道条件を満たしていないことが判明しました。現状では増築の必要もありません。しかし、いずれ建物が老朽化した時に、建て替えたくても建て替えられなくなるのではないか。また、法律の問題とは別に、火事や地震があったときの消火活動や避難する上で問題があることをアドバイスされました。
不動産屋さんは「建て替えなくても住み続ける方法はあるので、お買い得ですよ」と言いましたが、家族の安全と安心を考え、この住まいは断念しました。。

中古物件購入の際の相談例
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