第40回住まいのリフォームコンクール 入賞作品

入賞者一覧 概要

独立行政法人 住宅金融支援機構理事長賞【住宅リフォーム部門】

工期2年の給排水設備再生プロジェクトで配管の長寿化と光熱費を削減

設計会社 三機テクノサポート(株)
施工会社 三機テクノサポート(株)
タイプ 持家共同建
構造 鉄骨鉄筋コンクリート造
  • プレゼンボードを見る

リフォームの動機/設計・施工の工夫点など

【リフォームの動機】給湯システムと給排水管の老朽化
築48年当時では珍しい集中ボイラーの給湯システムとマンション全体の給排水管の老朽化による漏水問題を解決したい
【設計・施工上の工夫】 多数の新提案で資金不足を解消
ゞν儺訖緡管 全系統で水理計算を行い、適切な管径に減径する事により、給水の不要な滞留による塩素不足の解消と工費の削減を同時に行った。
給湯システム変更工事 集中ボイラー給湯方式から個別給湯システムに変更して、工費と住民負担の光熱費を大幅に削減した。
G喊緡管 A棟、D棟の排水立管は室内に配管されており、漏水による居住スペースの被害を防ぐ為、早急な改修が必要であった。室内の雑排水立管は2系統あり、室内の入室作業日数については新提案の工程サイクルにより7日間→4日間に短縮し、住民の負担軽減に寄与した。
【施主の満足度】配管の長寿化と給湯システムの変換により給湯費用が約4000円/月安くなり住民に喜ばれている。

性能向上の特性 給排水管の長寿化と個別給湯器設置による各住戸の光熱費の削減。
特に配慮した事項 再度の改修が無いように更新時にステンレスや樹脂配管など、長寿の管材を採用して建物以上の耐久性管材採用と個別給湯設置による光熱費の削減。
リフォーム前
リフォーム前後の平面図

物件概要
所在地 千葉県千葉市 新築竣工年 1975年 築後年数 48年 施工期間 730日間
該当工事床面積 32,20 /総工事床面積 32,292 該当部分工事費 54,230 万円 /総工事費 54,230 万円
居住者構成 65 歳以上:280 人 / 40 〜 64 歳:210 人 / 15 〜 39 歳:140 人 / 14 歳以下:70 人 / ペット 猫4 匹
講評

築48年の4棟360戸からなるマンションにおいて、築100年を目指して2年の工期をかけて給排水設備と給湯設備の更新・再生工事を実施し、マンションの長寿命化に取り組んだ作品である。
住民には、老朽化した給排水管や給湯管の漏水を解決したい想いがあり、特に室内の排水立管は早急な工事が必要であったことから、住民の合意形成をして工事を実施することになった。工事期間はコロナ禍であったため、給湯器が入手困難な時期であったが、早期発注と工程を工夫して分割納入としたため、給湯器の納入遅れを回避している。また、リモートワークにより在宅者が増加していたため、騒音の影響範囲を工事説明資料に加えて分かりやすく住民に伝えた。

住戸の専有部分内の工事にあたって、住民に対して工事説明会を行うとともに上階から順に短期間で工事を進めるため、各住戸に足を運んで丁寧に説明して日程調整を行っている。専有部分の工事時における荷物の移動のお手伝い等、住民の困りごとについても事前にきめ細かな打ち合わせを行っている。このような対応により、住民の理解を得て、計画通りに工事を行うことができた。

共用給水立管の更新工事では、ステンレス管を採用して工期短縮と長寿命化を図るとともに、水理計算を行って適切な管径に減径して給水に不要な滞留による塩素不足の解消と工事費の削減が行われている。
天井内共用排水管の更新工事では、鉄管から樹脂管に更新し、耐火二層管を採用して防音性に配慮している。

給湯システムは集中ボイラー方式であったが、この方式はお湯を建物内で常に循環させて水温を維持する必要があるため、熱ロスが発生し、配管への負担も大きかった。配管の老朽化による漏水と維持費の高さに悩まされていたため、個別給湯システムに変更した。これにより省エネルギー性が向上すると共に月々の給湯費用が大幅な減額となり、住民の満足度も高い。また、不要となったセントラル空調の室外機置き場と室外機を撤去して個別給湯器と置き換えたことで共用廊下のスペースが広がり、すっきりとした空間となった。なお、次回の大規模修繕工事では、玄関ドアやサッシの省エネルギー化を予定している。

専用部内の排水管更新・再生工事について、雑排水立管に防音性と耐久性を兼ね備えた耐火二層管を採用している。住戸のPS内にあった汚水立管は、壁材のアスベストレベルが高かったため交換は行わず、FRPライニング工法による更生工事を実施している。

以上のように、本作品は、築100年のマンションを目指して給排水・給湯を更新・再生するリフォームを実施することでマンションの資産価値を向上させ、給湯システムの省エネルギー化が図られた。随所に工夫を施してコロナ禍の中で円滑な工事を実施し、快適な生活を実現しているため、独立行政法人住宅金融支援機構理事長賞に値するものとして評価する。

※受賞案件の設計・施工に表示される組織名・会社名などは受賞当時のものを表示しています。
ページの先頭へ