快適でより豊かな生活を求めて  (テーマ別リフォーム事例)

歩きやすい庭なら散策も外出も楽しい

第24回 エクステリア部門 優秀賞 2007年

持家一戸建 神奈川県川崎市

インテリアとしても人気の高いロートアイアンの手すりを設置したことで、 ぐんとしゃれた庭になった。目的はバリアフリーだが、その目的が二の次 に思えるような仕上がりは、設計者が施主の意向をよく汲んだためだろう。

築後年数25年
総工事費90万円  (該当部分工事費 70万円)
総工事床面積15m²  (該当工事面積 9m²)
居住者構成 15歳以上65歳未満: 2人    65歳以上: 1人

特に配慮した住宅性能 メンテナンス性:鉄を湿度の高い庭に使用するため、錆の問題が起こる可能性がある。そこで溶融亜鉛処理を施し、対処した。

リフォームの動機

門から石段を何段か上がったところに玄関がある。長い年月この家で暮らしてきた母親は、何度か脳梗塞で倒れたため、足元が不安定になっている。外出時、玄関から門まで歩くには手摺や介護が必要になってきた。かといって、草花を季節ごとに植え替えるなど、母親も家族も大事にしてきた庭を壊してスロープにするのは忍びない。しかも石段は気に入っているのでそのままに、手摺で庭の雰囲気を壊したくないとのご要望だった。

設計・施工の工夫

そこで石段の段差(蹴上)を歩きやすいように調整し、石段の面は滑りにくいように勾配を整え、介助の人が付き添って歩けるように幅を広げた。

手摺は庭の草木の雰囲気に溶け込むように。有機的な形がつくれる鉄にして、エッジを面取りして母親が握りやすいようにした。

鉄の手摺の素材感は緑との相性もよく、オブジェのようにも見えるし、何よりも外出や庭の散策の回数が増え、以前より楽しみになったと喜ばれている。

設計者:エス・オウ設計事務所(SO PONTE)  (担当 寺林 成子)
施工者:(株)アナップ  (担当 青田 勝久)

リフォーム前:平面図 リフォーム後:平面図
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