資源を生かした住まい  (テーマ別リフォーム事例)

堺の家

第22回 国土交通大臣賞 2005年

持家一戸建 大阪府堺市

築後57年で、まだ古民家と言うほどの古さはないが、戦後すぐに 父が大変苦労して建てた家であり、この家を大事に活かしたいと、施 主が6年近く考え続けて到達したリフォームである。「暗い、寒い、不 便の解消」が第一であり、「光と風と緑を取り入れること」、「できるだ け安く」が施主の注文であった。

2棟の建物に中途半端に挟まれていた庭を回廊式のオープンな渡 り廊下でコの字型に囲んだ点が大きなポイントである。こうすること で、アプローチとしての門屋、奥を感じさせる母屋、それらをつなぐ 中間の庭の位置付けが明確になり、庭をどこからでも眺められる、明 るい住宅に変貌した。

構造在来木造
築後年数50年
該当部分工事費3,000万円
該当工事面積184.5m²
居住者構成 15歳以上: 3人
リフォームの動機

クライアントのご要望は、受継いだ家の良いところは残し、家族が毎日心地よく生活できる空間を希望されていました。

計画は、家人に大切に見守られてきた「庭」を中心に門屋と母屋を、季節感を肌で感じることができる「吹きさらしの渡り廊下」で繋ぐことで「庭」を切り取り、今まで気付かなかった庭本来の良さを導き出すことから平面計画をしました。

設計・施工の工夫

構造に関しては、新たにベタ基礎の上に柱を増設し、既設柱・梁と金物で締結しています。リビングルームでは、差し鴨居も新たに設けています。設備は、木造木組現し工法のために、オール電化として火災への安全性に対処しています。又、空間が大きいためリビングルームは床暖房としています。意匠的には既設の木組みを生かし、木の持つ温かさと珪藻土・漆喰壁で構成し、「庭」自然を最大限感じられるように、木製建具を全開できるようにしています。

施主の感想

自然の移ろいの中で心地よく生活ができるようになりました。

設計者:平井憲一建築事務所  (担当 平井 憲一)
施工者:(株)日の出組  (担当 東村 明良)

リフォーム前:平面図 リフォーム後:平面図
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